t_kahi’s blog

KNIMEやCellProfiler、創薬に関する記事と,日々のメモです

「Designing small molecules for therapeutic success: A contemporary perspective」を読んだ

こんにちは,@PKです.

先日、「Designing small molecules for therapeutic success: A contemporary perspective」という論文を読みました(著者はPfizerのDepartment of Medicine Design).

doi.org

とても面白い内容でした.以下メモです.

  • Phase II突破(PoC取得)が最難関
  • Phase II突破には疾患を治療できるターゲットと、ターゲットに作用するCAN化合物が必要
  • ターゲットとCAN化合物側のイシューを分解するとターゲット側は主に薬効不足、化合物側は主に毒性
  • Phase IIの失敗の大半はターゲット側が問題
  • 最近は化合物の改善(ADMET)技術が進歩し、First in classでも改善の余地がないケースが多い(後追いのBest in class戦略が狙いづらい)

R&D生産性向上のために

  • いち早く臨床候補品を上げて臨床試験を行い仮説検証を行う、そのサイクルを加速する
    • そのためにはperfect profileを追求しすぎず、臨床試験が可能な候補品創出が重要(患者さん第一が前提!)

創薬戦略

  • 新規ターゲット創出、もしくは、洗練されたターゲットの患者層別化が重要
  • 新規ターゲット:過去undruggableと考えられていた分子へのアクセス(評価手法や化合物デザイン、スクリーニング手法の進歩)、フェノタイプスクリーニングからのターゲット創出など

undruggableなターゲット分子をdruggableにする技術をどう整備するか(ターゲットID含めて)という観点が個人の仕事には重要かなーと思いました.