以前CellProfilerのテクスチャ測定に関するモジュールについて紹介しました.
www.t-kahi.com
「MeasureTexture」は質感が異なるようなオブジェクトを認識することができます.
Measurement — CellProfiler 3.0.0 documentation
このテクスチャーモジュールでは,Haralick Featuresの計算方法で13個の質感に関する特徴量を抽出します.
「MeasureTexture」を使った解析結果の例を示します.
以下のcolumnはそれぞれ取得した特徴量に関する情報を持っています.
Image : 測定する蛍光染色画像
Object : 測定するオブジェクト(核や細胞質)
Measurement : Haralick Features
Values : 測定値
この辺はわかりやすいのですが,「Scale」には,3_00, 3_01, 3_02, 3_03などの数値が入っています.
これらの数値の意味について,前回は飛ばしていたので補足します.
説明にはHaralick Featureについてまとまっている下記資料を参考にしました.
Haralick texture features
まず,Haralick Featuresの計算では,グレースケールの同時生起行列Gを作成し,ここから特徴量を取得しています.
*同時生起行列
グレー レベルの同時生起行列の作成 - MATLAB & Simulink - MathWorks 日本
Haralick Featuresの同時生起行列Gは,Ng次元の正方形です.
このNgは画像のグレーレベルの数を表しています.グレースケールが0-4の場合は,5 X 5の行列ができます.マトリクスの要素[ i , j ]は上リンクの通り,値iのピクセルが値Jのピクセルに隣接する回数をカウントすることで生成されます.
最後にそれぞれのセルの値を全体の総数で割ることで,各ピクセルの値が,値iのピクセルが値jのピクセルに隣接して見つかる確率を示していることがわかります.
この「隣接」は角度が0℃,45℃,90℃,135℃でそれぞれ算出することができるので,合計4つの生起行列からそれぞれの特徴量が算出される仕組みになっています.
というわけで,「Scale」の数値は同時生起行列を作る場合の隣接するピクセル間隔(今回は3)と角度(0℃,45℃,90℃,135℃の4つ)を表していると理解することができます.
「MeasureTexture」の設定画面を見ると, Texture scale to measureという項目でピクセル間隔を設定することができます.
Haralick texture featuresでテクスチャを測定するのは,その他のバイオ系論文でも使用されていますし,画像認識の分野でも使われているので 勉強しておいても良いと思います.
[Full text] Application of Haralick texture features in brain [18F]-florbetapir po | CIA